長井信夫展 イガイガ・いがいが・記憶風景の方法的懐疑

会期2022/3/18(金)~3/30(水)
時間AM11:00時~PM18:00
最終日は17:00まで

数年前にいがいがは不思議な実が有りました。私は初めて見るものでした。私はそれを持って帰り多くの人に「これは何か」と尋ねました。すると「モミジバフウの実」だと教えて頂きましたそれ以来、作品の中にフウの実を擬人化したり、シンボリックな存在として取り入れたりしています。

異種の切片のモチーフを組み合わせると独特の新しいイメージと成ります。作品では、フウの実、木、記録図、記憶風景をモチーフとして使用し、これらはメタファーとして現れます。コラージュのように構成しモチーフの関係を注意深く推測することで、複数の物語を作り、想像力を喚起します。

鍋井克之と堺事件〜旧跡をめぐる〜

微かに残た堺港町の風情。 川沿いにひっそりと立つ石碑が、時間の流れを刻んでいる。 堺事件の当事者として処刑された人達の名である・・・ 世紀の大事件堺事件では29人が連座しその中には洋画家、鍋井克之の父田丸勇六郎も含まれていた。 しかし実際死刑執行されたのは11人。鍋井克之の父、田丸勇六郎 がもし死刑をされていたら・・ 微かに残た堺港町の風情。 川沿いにひっそりと立つ石碑が、時間の流れを刻んでいる。 堺事件の当事者として処刑された人達の名である・・・ 世紀の大事件堺事件では29人が連座しその中には洋画家、鍋井克之の父田丸勇六郎も含まれていた。 しかし実際死刑執行されたのは11人。鍋井克之の父、田丸勇六郎 がもし死刑をされていたら・・ 

企画概要

堺事件→鍋井克之→大阪芸術大学→松井正→小出楢重→ホルベイン工業(株)と大阪を舞台にした美術の様相を振り返る時、ひとつの歯車が異なれば、まったく違ったものになったかもしれない、まさに運命としか名付けられない連続の出来事を見るのです。そのような経緯を考え、若い人たちにもぜひ知っていただきたく、今回の企画を立案いたしました。

ギャラリートーク1.鍋井克之と堺事件の関係 ⇨ 2.鍋井克之の人物像 ⇨ 3.鍋井克之とホルベイン工業株式会社の関係
ツアー・妙国寺トーク1.堺事件ゆかりの地をツアー形式で歩きます。 ⇨ 2.堺事件についてのトーク&妙国寺内の見学

妙国寺

鍋井克之の略歴

画家、鍋井克之(敬称略)は、明治21年(1888年)大阪に生まれ、昭和44年(1969年)に亡くなった。天王寺中学から東京美術学校を出て、二科展を経て二紀会の創立メンバーとなり、また、大阪芸術大学の最初の学部長美術学科教授となった。画風は、重厚な風景画で紀州・串本の海の風景を数多く描いている。大阪・池田市の名誉市民でもあった。その鍋井先生が「わたしは生まれていなかったかもしれないんです」と云った。それは、鍋井先生の父君が土佐藩士の一人で有名な堺事件(明治元年、1868年)に連座、11名までが切腹を執行され、それ以降が急遽中止された。鍋井先生の父君(田丸勇六郎、鍋井は養子)は運よく刑を免れたのである。事の話は森鷗外が【堺事件】に書かれている。また、鍋井克之は、大正13年、大阪で最初の洋画研究所「信濃橋洋画研究所」を東京美術学校の同級だった小出楢重らと創った。小出楢重は、画材のホルベイン工業の前身「吉村商店」と懇意で、新しく油絵具の製造にあたり、先代の吉村さんが相談し、小出が好きだったドイツの画家ホルバイン(ホルベイン)がいいと進言、社名にしたというエピソードがある。また小出楢重の弟子、松井正は、鍋井の後に、大阪芸術大学教授、学科長となった。


後援・堺市・堺市教育員会・大阪芸術大学・塚本学院校友会(大阪芸術大学 大阪芸術大学短期大学部 大阪美術専門学校)毎日文化センター
協力・ホルベイン工業株式会社・妙国寺・堺事件を語り継ぐ会・アートサイクルティーエーズ桂木産業株式会社株式会阪南ビジネスマシンスクールバストレーディング株式会社安田総業株式会社 青谷ゴルフガーデン

おいたつ展

会期2022/1/14(金)~1/31(月)
時間11:00〜18:00
持田総章・あまのしげ・市川和正・上野道子・片尾照子・川西玉峰・川俣勲・川俣夏代・清田広恵・小泉里美・近藤美代子・齋藤啓太・齋藤孝・新土和彦・玉置真理子・TERUE・長井信夫・中浦眞一・松原一彦・水谷和子・吉田哲夫
タイトルLOCATION
氏名持田総章
タイトル千の甍
氏名あまのしげ
タイトル箕面の滝/晩秋
氏名市川和正
タイトル想うⅠ
氏名上野道子
タイトルIMAGINATION
氏名片尾照子
タイトル無題
氏名川西玉峰
タイトルふたつの妙高
氏名川俣勲
タイトルつばき
氏名川俣夏代
タイトルおいたつ
氏名清田広恵
タイトルお天気者2022
氏名小泉里美
タイトルそそくさ
氏名小泉里美
タイトル休憩中
氏名小泉里美
タイトルそよかぜ
氏名近藤美代子
タイトルにおいたつ
氏名近藤美代子
タイトル夢マンダラ
氏名齋藤啓太
タイトル夏の華/回想
氏名齋藤孝
タイトル白い花
氏名新土和彦
タイトルおいたつ
氏名新土和彦
タイトル無題
氏名玉置真理子
タイトル無題
氏名玉置真理子
タイトル無題
氏名TERUE
タイトル無題
氏名長井信夫
タイトル無題
氏名長井信夫
タイトル無題
氏名中浦眞一
タイトル閉じ込められた釘
氏名松原一彦
タイトル蜘蛛の巣
氏名松原一彦
タイトル釘女
氏名松原一彦
タイトル釘男
氏名松原一彦
タイトル軍鶏
氏名松原一彦
タイトルKry
氏名水谷和子
タイトル地のエネルギー
氏名吉田哲夫

山崎達也個展【おいしい間隔】

会期2022/2/20(日)~2/26(土)
時間AM11:00時~PM18:00
最終日は17:00まで

在廊日

20212223242526

【おいしい間隔】

 最近、言葉に興味があります。

 おそらく人間がいなければ、言葉というものは世界に生まれていなかったでしょう。つまり言葉は、人間の知能と自然界の間に生まれたものだと思います。言葉の由来や成り立ちを考えることは、古来より人間がこの世界をどのように見つめてきたのかを考えることでもあると思っています。

 では、「人間」という言葉を作った人間達は、自分たちのことをどう捉えていたのでしょうか。ヒトを表すだけなら「人」でよかったはずなのに、「間」が付け加えられている。この点から私は、ヒトは個人でありながら共同体でもあるということを思い出します。

 ところで、最近の私にはお気に入りの言葉がいくつかあります。「佇まい」「間」「境界」「コク」「透明」等々…。

 なんとも言えないふんわりした印象を抱かせる言葉が気になるのです。気配は感じているのに正体をはっきり説明できないモノとでも言うのでしょうか。正体が知りたくて堪りません。

 おいしいものを食べた時、「うーん、コクがあるね。」なんて呟くのですが、”コク”の正体をはっきり説明できたことはありません。”コク”って一体なんなのでしょうか…。

 展示名からお分かり頂ける通り、本展示は「間」をテーマとしました。「コク」に負けず劣らずの掴み所がない言葉だと思っています。最近の自分は、「間」の正体を探るべく作品制作に向かっていたような気がします。

 20点の作品をご用意いたします。ご高覧頂ければ幸いです。

※DM表側の写真は、石を用いた作品「個体の間隔」の一部を撮影したものですが、展示作品のほとんどが壁掛けの平面作品です。

[作家プロフィール]

山崎 達也

1999年 大阪府出身

2018年 4月 大阪芸術大学美術学科入学

2022年 3月 大阪芸術大学美術学科版画コース卒業見込み

個体の間隔
h320×w320
綿布/アクリル絵具/石/ニス/木
二つの石が落とした一つの影を見ている。二つの物品を、一つの「組み作品」として見ていることに似ていると思う。
点は隔け合う
h233×w447
和紙/油性インク/木
荒い網点の写真画像をリトグラフで印刷した。
離れてみると、点のまとまりが二つの石の像を見せている。
近くで見ると、二つの石は一つのまとまり。
空奇景
h200×w200
ワトソン紙/ジェッソ/アクリル絵具/木
一つだけを見ていると思っても、本当は二つ見ている気がする。
それとそれ以外を判別しないと一つは見えないからだ。
空偶景
h200×w200
ワトソン紙/ジェッソ/アクリル絵具/木
「二つ並んでいる」と無意識に感じる時、何か二つを結びつけているのだろう。
物体の方からすれば、全くの無関係かもしれないのに。
豊かな白
h245×w250
ワトソン紙/ジェッソ/アクリル絵具/マットバーニッシュ
色をたくさん含んだ白を描きたいと思った。
それを白と言えるのかはわからないが。
透明箱
h416×w416
キャンソン紙/油性インク/アクリル板/マットバーニッシュ/木
透明がポッカリと浮かんでいる様子を作りたいと思った。
透明は、奥が透けて見えることを言うから、見るものじゃないかもしれない。
もし透明それ自体を見ることが出来たなら、それは何を見ていることになるのだろう。
異なる/個となる
h585×w475
和紙/油性インク/木
一つを分割することで、二つが生まれる。その一方も、さらに分割できる。それは果てしなく続いているのかもしれない。
食み出す
h567×w340
綿布/油性インク/銅板/水性ペンキ/木
物事が上手くいかない時、自分のダメさがはみ出ているのだと思い込んでいた。しかし最近は、少々はみ出てしまうことの方がむしろ自然で普通だと思う。
緊張と暖和
h427×w728
綿布/油性インク/水性ペン/木
某有名お笑い芸人曰く、「緊張と暖和」はお笑いの基本らしい。確かに人間の快楽は、その繰り返しの中にあるのかもしれない。
本作は、パネルに貼った布のテンションのかかり方を定着させるために作成した。
対応関係
h315×w217
キャンソン紙/油性インク/アクリル絵具/木
色の相環を見ていると、色も自然現象の一つだと言うことを思い出す。
多分、丸い地球のイメージと重なるからだ。
もしかして、補色同士がせめぎ合って無色になる部分は、地球でいうところのコアに当たるのかな。
健全なグレイ
h205×w205
キャンソン紙/油性インク
三原色を重ね、無色になるポイントを作りたいと思った。無色になるということは、三色の力がそこで気持ちよく循環しているということじゃないかと、そんな気がする。
流動と固定
h312×w240
アルミ板/アクリル絵具/ニス/木
シルバーがグレーに見えるって、なんか不思議だ。金属の移ろい続けるグレーを、絵具の確固たるグレーでなぞってみた。
間主観
h422×w720
写真/木/アクリル板
とある参道に並んだ柵の繋ぎ目を撮影した。
まるで人間関係みたいだ。
タイトルは現像学の用語「間主観性」という言葉から拝借した。
無関係の佇まい
h390×w282
写真/木/アクリル板
こちらは柵の末端部。孤高な人を見ているみたい。
儚い像
h139×w205
和紙/油性インク/木
素材の味を生かす料理にハマっている。さっと火を通した野菜を塩や醤油だけで食べたり、和風だしでじっくり煮込んだ大根等々。これだけで十分おいし作るのも楽しい。
本作は趣味の反映だと思う。淡い描写で際立ったインクの艶・紙の質は、絵画における”素材の味”だ。
線の成り立ちⅠ・Ⅱ
h205×w205
ワトソン紙/ジェッソ/アクリル絵具
一本線を繰り返し描くことで、一本の線を描く。
白を見せる青
h160×w200
ワトソン紙/ジェッソ/アクリル絵画
白を見せる青と、白を隠す白。
見えているものは、無いのではなくて隠れているだけという意識がある。
縦は横へ、そして四角にも
h160×w200
ワトソン紙/ジェッソ/アクリル絵画
僕がやったことは、絵具で縦線をいくつか引いただけ。
少しの工夫で横線も四角も見えてくる。
正方形を作る
h160×w200
ワトソン紙/ジェッソ/アクリル絵画
クッキリと描いた正方形は疑わしい。真に等しい縦横比で本当に描けているのかが心配になる。そういうものは、ぼんやりと頭の中で作っている方が安心だ。

冬季休暇

旧年は皆様のおかげで多くの感動と喜びをいただきました。

新年よりギャラリースタッフ一同、昨年同様素晴らしい作品を皆様にお見せしていきたいと、はりきって運営してまいります。

2021/12/28〜2022/1/4 まで休みます。

2022/1/5より営業いたします。

中野加菜(自己性制欲)

タイトル自己性制欲
手法日本画
サイズ h275×w275mm
価格¥16,000 税込

中野加菜(接吻)

タイトル接吻
手法日本画
サイズ h220×w270mm
価格¥22,000 税込

中野加菜(アンビバレンス)

タイトルアンビバレンス
手法日本画
サイズ h455×w535mm
価格¥55,000 税込

中野加菜(目移りする欲)

タイトル目移りする欲
手法日本画
サイズ h330×w530mm
価格¥55,000 税込

明松政二/kagari seiji

略歴 / Education

1949年大阪府泉佐野市に生まれる
1973年中央大学経済学部卒業
1974年 ~77年日本学術振興会
1977年 ~83年泉州梱包(株)
1982年茨城・西の内和紙 菊池五介紙匠から紙漉施工程を学ぶ
泉佐野市に紙漉場を設け、以後独学に入る
1983年京都・国際紙会議に参加
1985年「紙縁展」を大阪・西野田公設市場で開催。以降、第二回弘前、第三回大阪
1986年第一回四人展「紙と木と土の創作展」京都・山科毘沙門堂=テーマ「風」
1987年インドへ、南インドで赤土を採取 韓国へ、韓国式紙漉、紙漉道具の調査
東京・第四回「紙縁展」
第二回四人展「紙と木と土の創作展」=テーマ「水」
1988年ニューヨークへ、「歌舞伎の華展」(ジャパンソサエティー)で 和紙人形と京からかみと紙漉の三者によるデモンストレーションに参加
1989年「紙縁梁」を建設(住居と紙の関わりを体験する実験的空間)
第三回四人展「紙と木と土の創作展」=テーマ「水」
1990年金沢・高洲堂ギャラリーで個展
第四回四人展「紙と木と土の創作展」=テーマ「火」
徳島・阿波和紙伝統産業会館で個展=テーマ「表現する紙」
熊取町・サンミニアーノギャラリーで個展=テーマ「紙のある風景」
大阪・ギャラリーシャンソニエで個展=テーマ「ひと、紙そして間」
1991年第五回四人展「紙と木と土の創作展」=テーマ「空」<完結>
沖縄へ、南方植物の造形を開始
1992年山野に自生する草木を採取、試行錯誤を重ねる
奈良・薬師寺での伎楽法要のため、伎楽面を制作
1993年西宮・五人展「森の贈り物」にキョウチクトウの紙を出品
フィンランドへ、ユバスキュラー市の招きで作品展と紙海のワークショップを行う
1994年岸和田・自泉会館で個展=1985年~94年の主な作品を展示
西宮・アートスペース森羅「素材展」に墨とベンガラ、コバルト染めの漉返紙を出品
鳥取・因幡万葉歴史館に展示のため、五色麻紙を制作。
大阪・アップウェル船場ビル、フロントロビーの壁装紙を制作
1995年豊中・ギャラリーアートボックスで個展=無花果の紙を出品
米国・シカゴへ、シカゴ市の招きで紙施のワーックショップを行う
1996年京都・ギャラリーマロニエで個展=1985年~94年の主な作品を展示
ネパールへ、東部バルビセ地域の紙漉と紙漉場の調査
三重県青山町霧生に新しい構想に基づく仕事場の建設を始める
1997年那覇・リュウボウ美術サロンで個展=ガジュマルの紙を出品
豊中・ギャラリーアートボックスで個展=ガジュマルの紙と吉野楮による新作を出品
西官・アートスペース森羅でネパールの紙漉と紙漉場の報告会
大阪・クリスタルタワービルのローム(株)研修センターに「草木のオブジェ」を設置
1998年沖細へ、南方植物の紙焼を実施(3月~7月、読谷村・阿嘉島・東風平町) 東風平町・K FACTORY工房・ギャラリーで展覧会
1999年中西京子、「源氏物語とシェイクスピア劇の世界」展の舞台美術として2×8mの紙を制作
豊中・ギャラリーアートボックスで個展=樹皮紙を出品
北海道へ、北方植物の調査(石狩川流域)
2000年北海道へ、北方植物の調査(石狩川流域)
2001年豊中、ギャラリーアートボックスで個展=みなと紙、梶の木(吉野)の紙を出品
北海道へ、北方植物の調査(音威子府・焼尻島・天売島・支笏恵庭・黒松内・函館山)
2002年北海道へ、北方植物の紙海を実施(6月~7月、音威子府)
奈良・東大寺大仏開眼1250年・伎楽法要のため伎楽面を制作
2003年北海道へ、北方植物の紙漉を実施(4月~5月、音威子府で雪晒を実施 8月~10月
1,8×4mの紙を制作エコミュージアム・アトリエ3モアで展覧会)
2004年伊賀・霧生アトリエの整備
北海道・音威子府「樹と語る会」に北方植物(6点)を出品
2005年豊中・ギャラリーアートボックスで個展=北方植物(6点)幻想高麗紙700枚を積み上げたオブジェを出品
2006年1月 台湾へ
3月大阪.CASOで個展=北方植物上南方植物展覧会
11月東京で個展
2007年3月沖縄へ浦添美術館で北方南方の展覧会
豊中アートボックスで個展国民=沖縄の植物を漉くクバのオブジェ
8月北海道へ。北方植物正液く(8~1月3日)
2008年10月索東京松屋P2ギャラリーで個展松屋北南植物
2009年3月東京ミモザ(表参道)で個展ミモザを漉く
6月アートボックス、黒松のオブジェ
7月北海道へ
11月東京松屋へ
2010年7月ミツカン取材
2011年6月豊中ギャラリーアートボックスで最後の個展=庭の植物を漉く
4月大阪カッソ
7月韓国へ
11月東京
2019年ギャラリー住吉橋で個展
2020年ギャラリー住吉橋で個展
2021年ギャラリー住吉橋で個展