デジタル版画 小品展in大阪 | |
2023年3月17日〜27日 | |
AM11:00時~PM18:00 | |
飯盛雅子 稲継豊毅 宇野和幸 越前和代 大高浩美 大山恵美子 神田和也 倉澤 智 鈴木朝潮 須藤 光 高橋ユミ 長井信夫 ハチロユウジ 藤谷美貴雄 松本青樹 松山裕一 森 博美 山口史男 |
ぜひとも、ご高覧いただければ幸いです。
デジタル版画、その意味は。 鈴木朝潮
スティーブ・ジョブズと川瀬巴水。
アップルコンピュターの創設者、スティーブ・ジョブズは浮世絵のコレクターでした。銀座の某画廊に現れ、川瀬巴水を買いまくったのは有名な話しです。彼は浮世絵の伝統的な木版多色摺りに興味を示し、「日本人は頭が良い、この発想をパソコンソフトに応用で出来ないか」とソフト開発会社の技術者に相談、それをヒントに出来たのが「フォトショップ」と呼ばれる「画像編集ソフト」と言われています。
木版の多色摺りとフォトショップのレイヤー機能、「絵を積み重ね構成して行く」との発想は同じです。その意味で木版の多色摺りとデジタル版画は「遠い親戚」と言えるものではないでしょうか。私はそのフォトショップを使いデシタル版画を制作しています。
デジタル版画とは。
パーソナルコンピューター(PC)で創作する電子情報を「版」と考え制作する版画、新しい発想の表現で海外では一般的に普及しています。日本でも「若い人の関心は大変に高く」、制作の質問を良く受けます。
デジタル表現の評価は・・。
現在日本において、デジタル表現の評価は世代により二極化しています。現在50歳弱に「分水嶺」があり、下の世代は学校教育でPCを習うので、デジタル表現に全く違和感を持たず素直に受け入れ、新しい手法のデジタル版画に皆さん興味津々です。
しかしこの上の世代は風向きが180度変わります。年配者にとってデジタルは「未知の黒船」、急にネガティブな意見が増えます。 特にファインアートの世界においてデジタル浸透は鈍く、全くPCが使えない「デジタル難民」も多数いるが実態。「あんなものがあるから今の芸術はダメだ!」との暴言は今もあります。しかし版画界には、80歳過ぎてもPCを使いこなし、デジタル版画を製作する方はいらっしゃるのです。美術芸術の意味は、常に新しいものを取り入れ進化して行く事です、「そこに存在理由がある」と私は考えています。