
表現に、本気で向き合う場所
ギャラリー住吉橋は、2017年に大阪・堺に開館したアートギャラリーです。
ジャンルや知名度、年齢にとらわれず、作品に本気で向き合うアーティストと、その表現を深く受け止めたい観客が交わる場所として、これまで数多くの展示を行ってきました。
2020年前後には、母から現オーナーがギャラリー運営を引き継ぎ、より明確なコンセプトのもと、作家との関係を大切にした展示活動を継続しています。
貸しギャラリーとしての柔軟性を持ちつつ、独自に企画する展示も行い、表現の背景にある想いや意図を丁寧に伝える場として運営しています。
「なぜこの人の展示を今ここで行うのか」という視点を大切にしながら、アーティストの表現の質と可能性を支えるギャラリーを目指しています。
2025(令和7)年10月
ギャラリー住吉橋 館長 上野 慧

理念
ギャラリー住吉橋の根底にあるのは、「アートは“評価”よりも“姿勢”」から始まるという考え方です。
作家の肩書きや販売実績ではなく、作品に込められた意志や熱量に価値を見出し、その表現を世に届けることを使命としています。
また、アートを遠いものにせず、初めての人にも開かれた存在であることを目指しています。
ギャラリーに訪れた方が「知っている名前」よりも「知らなかった表現」に心を動かされる。そんな体験が生まれる場でありたいと願っています。
建物の特徴
ギャラリー住吉橋は、1階と2階の2フロア構成になっており、中央の階段で両フロアがつながっています。
2023年に2階スペースを拡張したことで、展示の幅がより広がり、1・2階を同時に貸し切ることも、別々の作家がそれぞれ展示を行うことも可能です。
そのため、異なる展示を通じて、それぞれの来場者が自然に交わる機会も増え、作家間や観客同士のつながりが生まれることも少なくありません。
また、ガラス張りの正面玄関からは展示の様子が外からも見えるため、通りがかりの方がふと立ち寄るような“街に開かれたギャラリー”としての役割も果たしています。

町おこしの活動
ギャラリー住吉橋は、堺の街に根ざしたアートの発信拠点として、地域との連携にも力を入れています。
2024年には、完全貸しスペースとして活用できる「サテライトギャラリー住吉橋」、そして版画の制作・学びの場である「版画工房 富蔵(とみくら)」を開設しました。
地域住民や子どもたちとのワークショップ、アート体験の機会も設けており、“観る人”だけでなく“つくる人”を増やす取り組みを続けています。
ギャラリーという枠を超え、アートを通じて街にひらかれた文化活動を広げていくこと。それが、住吉橋が目指す“町とともに育つギャラリー”のかたちです。